うちの父が、どういう理由なのか、箱根駅伝が大好き。お正月の風物詩ですから、毎年見ている人は多いでしょう。うちの父は、毎年欠かさず見るのはもちろん、往路と復路とを合わせて、12時間以上にもなる箱根駅伝を毎年必ず録画して、保存しています。むかしはビデオテープでしたから、家の中で置き場が邪魔になるくらい、箱根駅伝が入ったテープが置いてありました。ビデオからDVDに時代が移って、ダビングしてテープがなくなったときは、母親がずいぶんよろこんだものでした。
父は陸上部に入っていたわけでも、陸上のファンでもありません。出場している大学の関係者でもなかったし、仕事の会社がスポンサーをしているとか、そんな縁もありません。箱根駅伝をそこまで好きになる理由が家族から見ても見当たらないんですが、本人に言わせると、いつのころからか、自然と大ファンになっていたのだそうです。録画しておいたビデオテープは、単身赴任を長くしていたので、何年か分ずつまとめてひとり暮らしのマンションへ持っていって、ひまなときに繰り返し見ていました。ぼくが大学受験をして、入学したのが、毎年箱根駅伝に出場している学校でした。
毎年ビリ争いをしているくせに、かならず次の年も出場してくる大学として有名でした。父はとたんにぼくの大学の陸上チームのファンになり、熱心に応援をし始めると、念が通じたわけじゃないでしょうが、ぼくの大学はいきなり優勝争いに加わり始め、在学中に初優勝。その後は優勝争いの常連になり、大躍進を遂げていきました。父はとてもうれしそうで、たまたま入った大学とはいえ、親孝行が出来た気がして、ぼくにとってもうれしい出来事でした。